中絶手術の方法

初期中絶の手法について

初期中絶の手術方法には、搔爬法と吸引法と手動真空吸引法があります。当院では、子宮への負担が最も少なく安全性の高い手動真空吸引法(MVA)および電動吸引法によって初期中絶手術を行っております。

手動真空吸引法(MVA)について

WHOの安全な中絶ガイドラインで推奨されている手術法です。
ポリプロピレン製の細く柔らかい管を子宮の中に差し込み、手動吸引器で内容物を吸い取る手術法です。電動ポンプではなく手動で吸引することで、細かい調整ができ、母体を傷つけず、安全な手術を行うことができます。手術のキットは吸引器を含め、滅菌された使い捨て(ディスポーサル)製品ですので、清潔に手術ができます。使用後は破棄しますので感染等の心配もありません。

手動真空吸引法のメリット

  • 柔らかい管を使用するため、子宮内膜を傷つけるリスクが抑えられ、術後の負担が軽減されます
  • 使い捨て(ディスポーサル製品)を使用しているため、感染症のリスクが軽減されます

手動真空吸引法のデメリット

  • 妊娠期間が長いと遺残のリスクがあるため、週数に制限があります
  • 使い捨て(ディスポーサル製品)を使用しているため、清潔で安全ですが、器具が高価なため料金が高くなります

電動吸引法について

WHOによって安全性が認められている手法で、術中、術後の出血量が少ない・手術時間が短い・安全性が安定していることから、母体への負担が少ないとされています。筒状の器具を子宮内に入れ、陰圧をかけて胎児や胎盤を吸引します。

電動吸引法のメリット

  • 出血量が短く、手術所要時間が短いため、母体への負担が少ない
  • 技術力による差が出にくいため、安全性が安定している

電動吸引法のデメリット

  • 国内における実績ある医師が少ない
  • 適切な術後ケアを受けられるクリニックが少ない

掻爬法とは

日本における大学病院では、この掻爬法を最初に習うことで慣れている医師が多いため、初期中絶手術の約8割が掻爬法で行われています。術前に子宮口を開いて、スプーン状の器具や鉗子を用いて、胎児と胎盤をかき出します。吸引法よりも出血量が多く、手術時間が長くなります。

掻爬法のメリット

  • 子宮内の状態が手の感触で分かりやすく、経験豊富な医師であれば母体の状況を把握しやすい
  • 多くのクリニックで実施されている手法のため、クリニックの選択肢が多い

掻爬法のデメリット

  • 炎症や出血が多くなるリスクが高く、手術時間が長い
  • 深刻な事故を起こすリスクが高い
  • 医師の経験不足や不測のミスによって、子宮裂孔など母体が傷ついてしまうリスクがある
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